活動記録

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田んぼ環境自作人研修会(2018年)

研修会の様子

2018年に開催された田んぼ環境自作人研修会の様子です。
自然の営みに沿った農法で素人でもできるやり方を追求しています。特別な資材や機械を使わないで、身近なにあるものを利用した稲の栽培です。 Facebookページにも同じ内容を載せています。

研修田のある場所です。後ろに見えるのが大山で、右下の竹のある所が研修田になります。

2月の研修田の様子です。
刈り取った藁を前面に散布しています。大事なポイントはこの藁は春までにある程度分解させることです。自然に任せていても分解しますが、藁の状態を観察しながら米糠を藁の上に撒いておくと分解が促進されます。

昨年の研修生が今年の研修生のために作ってくれた苗床です。

藁を取ると米糠が発酵していました。 土と混ぜずに米糠をまいたままにしておくと種蒔き後の草の抑草になります。

苗床の藁を取り、軽く土をほぐし、角材で筋をつけて種蒔きをしているところです。

3粒づつ蒔いた後です。 1粒目は空飛ぶ鳥のため、2粒目は地上を生きる生き物のため、3粒目は人のため、 天と地と人が一緒になってお米作りをします。

種を撒き終った後は、土を被せた後に手で鎮圧し、藁を被せ、寒冷紗で覆って終了です。

苗床の草取りをしています。米糠が効いていて草が少なく、筋蒔きなので初心者でも草も取りやすくなっています。

不耕起のままだと生きた草の根がびっしり生えているので稲の根張りがうまく出来ません。苗の根が張るのを助けるために3本鍬で10センチ〜15センチで表面にある草をひっくり返し、土を砕いて田んぼほぐしをしています。

田んぼほぐしをした後は、水を入れ足で踏んで表面をトロトロにします。これで田植えのスピードも上がり、草を抑えるのが(特にキシュウスズメノヒエ)とても楽になります。

田植えで苗取りをしています。ノコギリ鎌で苗の間に切り込みを入れ羊羹状にして苗を取ります。そして、泥付きのまま田植えをします。泥がついていると、その泥が苗の根を保護する役目があります。

田植えをしている様子です。

田植え終了後の田んぼです。

田植え1週間後の草取り、ほとんど草がありません。

田植え4週間後の草取り。米糠ボカシを散布しました。

最後の草取りです。田植えの頃と比べると大きくなりました。

1本植えのハッピーヒルです。元気に開帳しています。

天地人、祝福神も元気に育っています。

7月29日、台風の後田んぼに行ってきました。早稲の天地人、出穂が始まっていました。

こちらは晩稲のハッピーヒル、出穂はまだですが逞しく育っています。

9月22日の稲刈りです。

サクサクと稲刈りをしていきます。

1畝(100m²)で40キロぐらい、1反に換算すると400キロの収量です。初心者ですが、十分な収穫量です。

刈り取った稲を束にして縛っています。

ハザに天日干しゆっくり自然乾燥します。 後ろはハザを組んでいます。

力を合わせ、協力してやる作業は、最高に気持ちがいいですね。稲刈り終了、多謝!

ハーベスターで脱穀。

足踏み脱穀機で脱穀。時間があるときはこちらがいいですね。

苗床つくり。天地返しで土を盛ります。その土を足でしっかり踏み固めていきます。

土の均平を取った後、米糠を撒きます。

その上に藁を敷きます。

作業がひと段落で休憩。

残りの藁を田んぼ全体に撒きます。そして、豊かな恵みを与えてくれた天と地とすべての生き物に感謝しました。

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参加者の感想

R.I

昨年3月に、お米と全く関係ない集まりに参加。そこでたまたま知り合った人が相模原でお米を作っていました。農家というわけではなく。週末に作業して自分の食べる分を作ってみよう・・・そんな主旨だと聞きました。「へぇ・・・お米ってそんなに簡単につくれるの??」 最初に聞いたときに、思ったことです。入会金と年会費(習い事のお月謝3か月分ほど)を納めて、1年間、全24回。12回出席したら田んぼ環境自作人として翌年、田んぼを借りて独り立ちできるとのこと。畑もお米も興味を持っていたわけではなかったのに、おもしろそう・・・と参加を決めて、携帯でポチ。10人の枠に入りました。

初日の顔あわせで皆さん既に畑をやっていらしたり、どこかで作業に参加されたことがあったり、意識の高い方が多く「あっ・・・何にもわかってないのが混ざった!それ私・・・」と尻込みしましたが、出席できない日があっても、遅刻の日があっても、早退の日があっても暖かく迎えていただき一つ一つ丁寧に教えていただき、気づいたら12回以上出席、田んぼ環境自作人となりました。

はじめは、まだ自分で田んぼをやりきる気持ちがなく、「来年はみんなの手伝うね!」といっていました。 研修田んぼは、新戸にありますが、尾山、田名塩田、長竹にもあり、研修も後半に入ったところで、各地に見学に行きました。私以外のメンバーは、来年どこの田んぼにしようか・・・真剣に考えている風でした。私はといえば、正直うわの空。みんなすごいなぁ・・・と眺めていました。見学も後半、移動の車の中で同じ研修仲間の一人が「やってみないとわからないし習ったことが身につかない。失敗してもやってみることが大事。」よく本などでみる言葉ですが、その時に「ほんとだ・・・」と腑に落ちて。突然?「やってみよう!」に変わりました。

この時、突然変わったわけですが、1年を通して、感じたこと。田んぼに来ると心底元気になるなぁ!という実感です。特に水が入った田んぼは、すごいです。素人感覚で、田んぼと聞くと、ずっと水がはってあるイメージがありましたが、実際にはそんなに長く水が入っていないのです。水が入った田んぼってすごい!この感覚が、やってみようにつながっています。水が入った田んぼはすごい!と話すと、どうすごいのかと、よく聞かれます。水があることでいろいろな命が引き寄せられてくるのですが、なかなか伝えられず、やると決めた最近は、来年私の田んぼに来て、長靴で入ってみて!と話しています。

研修田は、志高い方も、そうでない私のような興味があるだけでも参加できます。そして体験できる素敵な場です。迷ったら参加してみてください。続けることもフェードアウトすることも可能です。そして、玄米のおいしさとみんなで一緒に作業する楽しみを感じることができます。

1年間、一緒に参加した皆様、教えてくださった仲野さんはじめ関係者の方々、本当にありがとうございました。

M.I

人生初めての田んぼ作業でしたが、講師の仲野さんや研修生仲間、先輩方のおかげで楽しく、愉快に、豊かにお米づくりができました〜。田んぼのこと以外にも、出会いがたくさんあります。何よりみなさん温かいのです!そしていろいろと旨い!!必要なのは、お米を作ってみようかなという気持ちだけです.。迷わず行けよ、行けばわかるさ〜。

K.K

数年間まで、山梨で、無農薬の田んぼに10年以上関わっていました。何しろ、草との戦い。取っても取っても…。田植えの翌週、草が小さいうちに代かきをして、浮かすのがコツ。そう思ってました。研修田での田植えの翌週、勇んで、行った時の驚き。「えー!無い」そう、草が稲以外、まるで生えていない。衝撃!トロトロ層の理屈を調べ直し、これは本物だと実感。ただ、後で聞いたら、研修田は、仲野氏が、10年丹精こめた田んぼなので、別格と。なので、今思うのは、あえて草だらけの田んぼで、研修通りの工程を自分で試してみたい。

この会に入った事で、微生物が大事とか、自然農でも色んなやり方があるとか、その奥深さを知りました。微生物を介して土も人も虫も植物も、何もかもが本当につながっている、共生しているってことも。

そして響いたのが「生物多様性」という言葉。そう人間同士もね。合わないなぁと思う人とも、あきらめず、最後まで、話合ってお互い、妥協点を探せるようになりたいなぁと思う人生折り返し地点を数年過ぎたお年頃の自分なのでした。

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