なぜ天然菌なのか?
ご存知の方もいるとは思いますが、実は現在作られている多くの発酵食品は、天然菌で作られてはいません。今は種菌メーカーが、分離・培養した「発酵醸造菌」を購入して発酵食品が生産されています。また市販されている発酵菌も同様です。以前は天然菌を活用して発酵食品を作っていたのですが、蔵元での天然菌の自家採取は、手間や時間がかかり、しかもその割に生産が不安定であったため廃れていったからです。
この「発酵醸造菌」はどうやって作るのかというと、天然菌(多様な菌)を紫外線や薬剤を使って「人間や作り手にとって有用と思われる菌(?)」と「そうでない菌(?)」とに分離・選抜し、純粋培養されて作られます。この分離培養菌の利点は、目的にあわせてよく働く菌だけが選抜させているので、効率よく発酵食品が生産できるため大量に作ることを可能にしたことです。ただ、菌の選抜・培養の問題(放射線・紫外線、いろいろな化学物質・添加物の使用)を指摘する人も少なくありません。実際、化学物質化敏症の人は、この菌で作られた食品は食べられないそうです。
発酵醸造菌と天然菌の違いは、前者がほとんどが単一の菌で、後者が多種多様な菌が含まれているところです。そのため単一の菌の場合、味も香りも単調になりがちですが、天然菌の場合だといろいろな菌が働くので味も香りも広がりが出てきます。具体的な例は、イースト菌(酵母菌1種類)でパンを作った場合と天然酵母(何種類もの酵母菌、乳酸菌、麹菌などを含む)で作ったパンを思い浮かべていただければわかると思います。
食の問題点の指摘は大事ですが、そこに終始すると「恐怖心」や「不安感」で身動きが取れなくなります。やはり、「心地よさ」「楽しさ」「美味しさ」を体験していくことで生活の質を高めていくのがいいと私達は考えています。
そんな訳でWSをしました。みんなで作ると本当に楽しい!!
2日間水につけた大豆を鍋で3時間ほど煮ます。
煮てる間にお昼ご飯。昨年研修田で取れたお米(天地人、農林48号、彩の輝き、ハッピーヒル)の食べ比べです。お味噌汁は研修田の畦で育てたサトイモ、自然農の畑で取れたネギ、昨年作ったお味噌で作った味噌汁です。
差し入れです。ありがとうございます
昼食後は、味噌作り開始です。麹はマルカワ味噌の天然菌の玄米麹
塩と麹で塩切り麹を作ります
潰した大豆と塩切り麹を混ぜます
混ぜ終わったら、味噌玉を作ります
味噌玉完成。この後容器につめます。9月頃にはお味噌になっています
昨年作った天然菌のお味噌です。他の麹菌の味噌と食べ比べてみると、本当に味も香り奥深くからだに沁みこんでくる美味しさです(ホント、手前味噌ですね)。麹菌の種類が1種類ではなく、4,5種類含まれているからでしょうね。会報誌10号に「天然菌が教えてくれたこと」が書かれています。興味ある方は読んでみてください。
11/14に新戸地区で開催された秋の収穫祭(表彰式)の様子です。
2022年2月27日更新
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