団体概要

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「畑と田んぼ環境」再生会とは?

「畑と田んぼ環境」再生会は、平成18年に発足しました。 中心となる活動内容は、農家の協力のもと、 休耕地や耕作放棄地となっている農地を地主から借り受け、 そして市民の手で田んぼや畑の多くを生き物で溢れる豊かな自然環境として再生し、 心和ませる風景を守っていこうというものです。

法人の名称 特定非営利活動法人 畑と田んぼ環境再生会
主たる事務所の所在地 相模原市中央区田名1918番地11
代表者の氏名 林田 真秀
定款に記載された目的 この法人は、休耕地や畑や田んぼを生き物との共生を図る農法で再生・保全する
事業を行い、環境の保全、青少年の健全育成及び消費者の保護を図ることを目的
とする。
決算月 12
認証年月日 平成18年6月21日
設立登記年月日 平成18年6月26日

詳細は、内閣府NPOのホームページをご覧ください。定款、事業報告書も公開されています。

相模原市の生物多様性ポータルサイトでも、生物多様性の保全に関わる団体として当NPO法人が紹介されています。

会員規則

当NPO法人の会員規則です。 この会員規則は、定款の第3章会員の規則に定めるところにより、会員の入会、退会、除名ならびに会員の権利、義務に関して定めたものです。

活動地域

当NPO法人は、相模原市の新戸(研修田、畑)尾山田名塩田長竹の各地域で、環境自作人を中心に活動しています。

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新戸地区(研修田)

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新戸地区(畑)

shindo

尾山地区

oyama

田名塩田地区

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長竹地区

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寄付・支援

当NPO法人の理念や活動にご賛同頂き、寄付、ご支援を頂いている団体をご紹介します。

六畳ブック(BOOK6)

家や会社で眠っている本をお金にかえませんか? 六畳ブックは身近なモノで社会貢献のお手伝いをできたらという思いと、 紙の本への恩返しとして、古本買取を通じて、アマゾン森林保護、サンゴ礁の回復や保全、土や作物を守る自然保護団体への寄付・支援に力を入れています。 眠っている本を取り出してみてはいかがでしょうか?

六畳ブック(BOOK6)のウェブサイトより引用

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[団体概要] > [「畑と田んぼ環境」再生会の目的]

「畑と田んぼ環境」再生会の目的

経済効率至上主義と生産効率最優先が招いたこと

私たちは様々な科学技術を発展させ、生活を便利で快適なものにしてきました。 しかし、すぐにお金にならないものは切り捨てるという経済効率至上主義の結果、生命の生存基盤である自然を破壊し深刻な環境問題を引き起こしています。 そしてこの考え方は、工業製品だけでなく、サービス、農作物など、現代社会のあらゆるところに広く浸透して私たちの価値観や感受性に大きな影響を与えています。

実際、現代の慣行農業のやり方を見てみても

  • 効率的に生産するために単一の農作物だけを作る。
  • そのためには、虫や雑草など他の生き物が犠牲になっても仕方がない。
  • 自分のやっている農法が他の環境に与える影響については無関心。

というもので、人間に都合のよい物だけを作り、他のものは排除することをしてきました。

確かに、大規模に機械化し農薬や化学肥料を多く使用する慣行農業は、大変な農作業から農家を解放し、農作物の生産量を上げてきました。 しかし、この農法は、耕作地を疲弊させただけでなく、農家の健康も蝕んできたのです。 しかも、野菜の見かけはよくなってもその栄養価は五十年前の半分以下になっています。

また、生産効率最優先の考え方により、「畑と田んぼ」は野菜・果物やお米を栽培するためだけの土地、つまり「食料生産の場所(工場)」と見なされ、それを「自然環境」として見る眼差はほとんどなくなってしまいました。 そのため、田畑の風景は荒れ、生き物がいなくなっただけではありません。 人が人として生きていく上で大切な自然との関わり方やいのちあるもの同士のつながりを実感することも困難になってきているのです。

様々ないのちのにぎわう自然環境への蘇生

しかし、「畑と田んぼ」から生み出されるものは、野菜やお米だけではありません。 生産効率を最優先する以前の農の営みでは、赤とんぼ、カエル、メダカ、ドジョウ、タニシ、ミミズ、オケラ、トカゲ、バッタ、蝶などの様々な生き物を育ててきました。 また、手入れされた田畑が作り出す涼しい風、心和ませる田園風景など、心安らぐ身近な自然環境も育んできたのです。 そして、これらのいのちに野菜やお米も育てられてきました。

現代社会では、これらのいのちの産物である食べ物が、単なる「食品」となってしまい、自然の恵みであることを実感できなくなってしまいました。 このことを忘れた社会において本当に自然を守り、自然と共生していくことが出来るのでしょうか。 大事なことは、まず現代社会の不自然な論理や価値観に気づき、それを変えていける感性を育てていくことではないでしょうか。

私たちの活動は、単に野菜やお米を作って食べることのみを目的とするのではありません。 農家の協力のもと、「環境自作人」という意識を持って休耕地の耕地生態系を回復させ、それを様々ないのちのにぎわう自然環境へと蘇生させてゆくことです。 そして、このことは生業として農業ではなくて、むしろ生計とは関係しない「農」だからこそ大きな可能性を秘めているのです。

「いのちを大切にする社会」へ

土の感触を楽しみ、多種多様な生き物と出会い、折々の季節の中でその恵みを喜び共にいただく、この体験は、安らぎと心のゆとりを毎日の生活にとりもどすきっかになるだけではありません。多くの生命によって作られている生態系の中で人も生かされているということを教えてくれます。 このことは、自然と人間、人と人との関係をはじめ、様々なつながりを取り戻していくことの大きな手助けとなります。

社会や経済活動は、そこに暮らしている人々の意識や価値観と一体です。 ですから、私たち一人ひとりの価値観を変え意識を高めていくことが重要になります。 多くの人が農的生活を楽しむ中で自分自身の生活の仕方や生き方を見つめ直し変えていくこと、これは「いのちを大切にする社会」の土台作りに大きく貢献するはずです。

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[団体概要] > [環境自作人について]

環境自作人のススメ

人間の役割とは?

人間以外の生き物は、その本能のままに生きていことが自然と調和して生きていくことにつながりますが、人間はそのような訳には行きません。 本能のまま、自己中心的な欲望をむき出しに生きていくと、様々な問題を引き起こしてしまいます。 これは、人間が自然の法則に則していないこと教えてくれます。 実際、人間の文明が招いた地球の危機的状況をみればはっきりとこのことがわかるのではないでしょうか。

しかし、農を通して人間を観てみると、また別の側面が見えてきます。 それは、原始的な生の自然よりも人間が適切に関わった自然の方が生き物の多様性が豊かになっているということです。 実際、白神山地のような人間の手の入らない自然と人間に手入れをされてきた里山を比べてみると、里山の方が生態系は豊かで多彩なのです。 また、熱帯雨林にしても、人が居住の移動を繰り返す中、自分たちに必要な草や樹木を植えることで多様な生態系が形成されてきました。

人間は、自然の法則から外れているから自然破壊もできますが、また、それゆえにこそ自然の法則を活かし、他の生き物とは全く違った形で自然をより豊かにできるのです。 ここに人間の存在する意味があるのではないでしょうか。 実際、地球の歴史を見てみても、生命が多様で豊かになっていく歴史であることがわかります。 そして、人間もこの流れの中にあり、その役割を担っています。

環境自作人に大切な心得

この立場に立って私たちは、農のある生活を営み、自然環境を再生していく人を「環境自作人」と名づけました。 畑という草地の自然環境を担う人は「畑環境自作人」、田んぼの自然環境を担う人は「田んぼ環境自作人」とそれぞれ呼びます。 一定回数以上、当NPOの研修会を受講すると環境自作人と認定されます。 環境自作人は、次の4原則に沿って畑と田んぼを耕作します。

  1. 農薬、化学肥料は使わない。
  2. 草や虫を敵としない。
  3. 手作業で汗を流すことを基本とする。
  4. 自然環境を汚さず、自然の循環を妨げない。

この原則は、いのちのつながりを断ち切らないために考えた羅針盤で、特に決まった農法がある訳ではありません。 この原則を心に留め、各人が創意工夫してもらえれば、やり方は自由です。 耕しても耕さなくてもかまいません。 もちろん、近隣の農家に迷惑をかけないで良好な関係を作ることも大事なことになっています。

未来に豊かな自然環境を残そう

ところで、社会をより良い方向に変えていくための活動に必要なことは何でしょうか? 「正しさ」は、もちろん必要です。 しかし、それだけでは不十分ではないでしょうか。 それに加えて「温かさ」「面白さ」「楽しさ」が不可欠だと私たちは考えます。 これが無いと持続可能な活動は出来ないからです。 あまり難しく考える必要はありません。 それぞれの人が、自分のプロセスにあったやり方で農的生活を楽しみ、同じ思いの仲間とのつながりの輪を広げ深めていくことが大切なのです。

もちろん、初心者にも可能なように、一から畑と田んぼでの野菜やお米作りが学べる研修会も実施しています。 そして、この農のある生活は、知識ではなく体験からいろいろなことを考えさせられ、気づかせてくれます。 人と自然の関係、植物の生命力、食糧、ゴミ、自然界の循環、共生、からだを動かし汗を流すことの爽快感、生と死、生産者のこと、野草の花の可憐さ、心の安らぎ、食べ物に対する感謝の気持ち、子育てのヒント、自然のリズムで生きることの心地よさ・・・など、人工物に囲まれた生活では得られないものばかりです。

多くの人が環境自作人となり、その輪が日本中に、そして世界に広がっていけば、私たち生命を育んでくれた自然環境は、その豊かな多様性を回復し大きな恵をもたらしてくれるはずです。 そして、地球上に住みすべての生き物の未来に対して、これ以上の大きな贈り物はないでしょう。 なぜなら、豊かな自然環境こそが、私たち生命が生きていくうえで最も大切なものに他ならないからです。

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